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ってなに?

仕組みを変える前にマインドを変える 目的の共有から始まる「働き方改革」

プロジェクト② ”ちょうどいい”働き方・働く場

2021.03.19
仕組みを変える前にマインドを変える
目的の共有から始まる「働き方改革」

人手不足や生産性向上の方策として、国を挙げて進められている「働き方改革」。その矢面に立たされているのは、全企業数の99%を占め、雇用の約7割を生み出している中小企業・小規模事業者です。

そこで今回は、関西の中小企業経営者をお招きし、働き方をテーマに語り合っていただきました。ご参加いただいたのは、京都府舞鶴市を拠点に住宅や公共施設などの設計施工を行う大滝工務店の代表・大滝雄介さん、京都府福知山市で産業用精密機械の部品製作を手がけるコアマシナリーの代表・岡本真樹さん、大阪府貝塚市の建設会社・延生建設の代表で、グループ企業の経営も行う延生康二さん、の3名です。

オンラインで実施した取材には、オプテージのほかにも、南海電気鉄道、ウエダ本社のみなさんが参加。「働き方改革」の理想と現実を問うようなリアルな声が飛び交う座談会となりました。

ヒト・モノ・コトが交わる、オープンな営み

­――はじめに、みなさんの会社について教えてください。

大滝:私は以前、東京の大手企業でシステムエンジニアをしていましたが、父の病気をきっかけに地元へUターンし、家業の大滝工務店を継ぎました。住宅や店舗、各種施設の設計施工をしている地場の工務店で、従業員は大工職や事務方を含め25名ほどになります。それから、私が個人的に始めたまちづくりの会社にも約10名のスタッフが在籍しています。そちらではゲストハウスやコミュニティスペースの運営のほか、市のふるさと納税業務、移住セミナーの実施など、多種多様なまちづくり案件を手がけています。

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大滝工務店代表・大滝雄介さんは、空き店舗をリノベーションしてチャレンジカフェとしてオープンした「FLAT+」から取材に参加

岡本:当社は、半導体製造装置やレーザー微細加工機といった、先端産業で使われる機械装置の部品製作を行っています。従業員は30名ほどで、私も以前は一社員として営業や製造の部署で働いていたのですが、2016年にマネジメント・バイアウト(MBO/経営陣買収)によって経営権を取得しました。それから社内風土の改革やITなどを活用した業務改善に取り組んでいるところです。

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「研鑽」「至誠」「感謝」「遊び心」の4つを理念に掲げ、若手技術者集団を率いる、コアマシナリー代表の岡本真樹さん

延生:私は現在、祖父が創業した帯鉄メーカー、父が創業した建設会社、私自身が21歳で立ち上げたIT会社、そして今年の夏に貝塚駅前にオープンするコワーキングスペース「ポートフォリオ」の運営会社、合わせて4社を切り盛りしています。帯鉄メーカーは従業員30名ほど、ほかの3社はそれぞれ5名程度の組織です。各社の既存事業を守り育てる一方で、それぞれの資源や強みを生かした新しい価値の創造を目指しています。

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延生建設代表の延生康二さん。自身が立ち上げたIT会社で他社をサポートするうちに、企業が持つそれぞれの強みをもっと発揮させたいと思うようになったという

オプテージ:従業員の方の年齢層や経歴、キャラクターなど、何か特徴はありますか。

大滝:リーダー層にあたる40代の比重が大きいですね。30代は私を含め4人で、あとは取締役層の5060代、20代で構成されています。以前は大工の息子さんや建築専門学校を出た人など地元採用が多く、いかにも技術者集団といった風情でしたが、工務店事業とまちづくり事業の相乗効果で3年ほど前から20代のUターン・Iターン就職が増え、かなりバラエティ豊かな顔ぶれになりました。

岡本:当社は50代が一人もいなくて、私を含めた30代を主軸に、2040代に分かれています。別の町工場から転職した人もいれば、元自衛官や元公務員、飲食業出身の人もいて、経歴はみんなバラバラですが、性格的には大らかな気質の人が多い気がします。そのせいなのか、お互いにケアし合おうという雰囲気があり、物事を決める際の方向性がそろいやすいですね。あと、釣り好きがやたらと多い職場です(笑)

延生:うちも岡本さんの会社と同じく30代中心ですね。40代が最も少なく、主に30代と50代、経営層の60代で構成されています。会社ごとに歴史や社内風土が違うものですから、従業員のキャラクターも会社によってまちまちです。60年続く鉄の会社は既存事業を大事に守っていく堅実なタイプが多く、逆にITの会社は新しいことにチャレンジしたがる私みたいな人間ばかりで、まさに異文化の集まりのような企業体ですね。

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祖父が創業した帯鉄メーカー・延生金属は1961年、重量物の梱包に使用される帯鉄(ベーリングフープ)の専業メーカーとして創業し、大阪・貝塚の地で代々受け継いでいる

ウエダ本社:大滝さんがまちづくりの活動を始めたきっかけは何ですか。

大滝:友人数名とサークル感覚で始めました。京都府北部には大学がなく、働き口や遊ぶ場所もあまりないので、若い人は都市部へ出ていってしまうんですよね。だから、私たち自身がこのまちで暮らす楽しみを発掘しようと、ゲストハウスをつくってみたり、まち歩きのプランを立ててみたり。そうこうしているうちに、本業の工務店事業と遊びのまちづくり事業の境目が曖昧になっていきました。そうした経験から私はどんな業種であっても事業と地域を組み合わせた方がよいと感じていて、自社事業を拡大解釈する、例えば工務店なら「ハコづくり」ではなく「まちづくり」をする企業ととらえ直すと、新しい領域を開拓することができます。

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ハコづくりとまちづくりをシームレスにとらえる大滝さん。2017年にオープンしたカフェ&住まいの相談窓口「KAN,MA(カンマ)」も、そんな考え方から生まれている

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2012年に発足したまちづくりチームを前身とする「一般社団法人KOKIN」。大滝さんが中心となり、古民家ゲストハウスやイベントスペースの運営などを行っている

――まちづくりという意味では、延生さんが手がけているコワーキングスペースも似ていますよね。地域の中でどんな役割を果たす施設にするお考えですか。

延生:目指したのは「貝塚泉州の産業活性化拠点」です。この地域には、優れた技術を持つものづくり企業がたくさんあるのですが、それを生かしきれていない企業さんも実は多いんですね。都市部なら新事業支援の場所も結構あるのですが、地方にはそういう場所がなかなかない。そこで技術やノウハウを持つ企業や個人をつなぎ、新商品や新ビジネスを創出する、オープンイノベーションのプラットフォームをつくろうと考えました。企業支援機能は施設の2階に集約し、1階は誰でも気軽に利用できるカフェおよびコワーキングスペースとして開放します。

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貝塚駅前に今夏オープンするコワーキングスペース「ポートフォリオ」。南海電気鉄道も協力し、多様な人々が交流する中で、互いの課題を解決する場をつくる

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建設中の「ポートフォリオ」。延生さんの会社は、参加企業にマーケティングやブランディングといったクリエイティブ面のサポートも行っていく予定

岡本:当社も1年ほど前、オプテージさんのバックアップのもと、オープンイノベーションに取り組みました。設計やデザインといった外部のリソースを活用し、「ソリッドハニカムテーブル」という世界最薄レベルの天板を持つアルミのラウンドテーブルを開発することができました。BtoCに参入したいと思っていても実際に舵を切っている町工場は非常に少ないんですよね。つくるまではするけれど、マーケティングをして販売まで持っていくのが大変なんです。それを地方の町工場でもできるよと体現できたのは大きな成果でした。

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コアマシナリーが製造・販売する「ソリッドハニカムテーブル」は、設計やデザインなどに外部リソースを活用したオープンイノベーションの賜物

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剛性を高める六角形の幾何学模様を施した天板は、厚さ2mmの世界最薄レベル。機械部品製作で培った技術力が随所に生かされている

IT導入がコミュニケーションの形を変えた

――みなさんの会社の姿が見えてきたところで、近年の働き方の変化について伺います。働き方の見直しに踏み切った背景と、実際に行った取り組みについてお話しいただけますか。

延生:特に変化を感じるのは、帯鉄メーカーの製造ラインのIT化です。一つの作業に複数人がかかわるので、個人ごとの目標を定めにくく、個人の頑張りが見えにくいという課題がありました。そこで、一人ひとりの役割を明確化した上で、PCやセンサーなどのIT機器を活用して個々の達成度を数値化し、目標を持って働きやすい環境を整えました。その結果、こちらから具体的な指示をしなくても、目標の数値を達成するために必要な工夫をそれぞれが自発的に行うようになってきました。

周りの人たちとのコミュニケーションツールにしてほしいという狙いもありました。製造現場にかかわらず、会社って隣の人が何をやっているのか、どういう成果を挙げているかが分かりづらいところがあるので、それをみんなで共有して「あの子はここを頑張っているんだ」とか「もし自分にできることがあるなら手伝ってあげよう」とか、気軽に言い合える環境にしたくて。ITを導入するときは、そういうITを導入する目的や意義を現場にきちんと伝えることが大事ではないかなと思います。

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延生金属では製造ラインにITを導入し、業務の可視化を実現。個別の目標達成度がひと目で分かり、従業員の意欲向上にひと役買っている

岡本:おっしゃる通りだと思います。何のために入れるかを現場レベルで共有し、成果が出ているかを確認して初めて働き方の改善につながるものだと思います。当社はそこを無視して導入ありきで進めてしまった苦い経験があるんです。実は5年ほど前までは、モノクロ印刷機が1台、ネット回線はかろうじてADSLがつながっているような状態で、紙とアナログと人力に頼った会社でした。あまりにも立ち遅れていたのでIT導入に対する反応は良好でしたが、製造現場に生産管理システムを導入してみたときに大炎上。使い勝手がよく分からず、「どうして余計な手間を増やすんだ」「これなら前の方がよっぽどいい」と非難轟々でした。結局、1年がかりでデータの入出力や活用方法について話し合い、2年目からようやく正確なデータに基づく生産管理体制が出来上がっていきました。

うれしい誤算だったのは、現場の方からより詳しいデータを抽出し、多角的に活用したいという声が上がってきたことですね。製造以外の部署ともデータを共有できるようにプログラミングを勉強したいと申し出る従業員が何人か現れて、やがて社内のいろいろなところで解析データが生かされるようになりました。会議の資料でも詳細なデータがあるか否かで、議論の深まり方が大きく違ってくるものですね。根拠となる数字が見えると、感覚や感情で話すのではなく、客観的な判断に基づくさまざまな意見を掛け合わせて、事業の方向性を導き出せるようになりました。

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製造現場のIT化を推し進めた結果、従業員が自発的にプログラミングをし始めたコアマシナリー。自分がほしいものは形にしたいという職人気質に火が付いたからだという

大滝:お二人とも製造現場にITを積極的に導入しているんですね。うちの会社で定着しているのはコミュニケーションツールのSlackくらいです。初めは私しか使っていなかったんですが、コロナ禍で可能な限りリモートワークをやろうという話になって急速に浸透していきました。ITツールに苦手意識のある人も多かったので、アプリを入れるところから使い方まで手取り足取りレクチャーしましたね。今は全従業員が使いこなせますし、役員層に至ってはリモートワークが当たり前になっています。

トライアル&エラーの先に、道は拓ける

南海電気鉄道:コミュニケーションツールをはじめ、みなさん何らかのITツールを利活用し、働き方の改善を図っているんですね。岡本さんの会社では生産管理システムが最初うまく機能しなかったというお話もありましたが、失敗はやはり付きものなのでしょうか。

大滝:良かれと思って導入したものの、活用されないまま淘汰されていくケースはよくあります。最近、リモートワークの試みとして、建設現場に遠隔監視カメラを設置し、スマホでどこからでもチェックできるシステムを導入してみたのですが、今のところあまり機能していないようです。みんな現場に行きたがってしまいます。

延生:建設業界は全体的にIT化が遅れていますよね。建設会社を引き継いだとき、いまだに手書きの決算書をつくっていてびっくりしました。そういう細々としたところから変えていき、IT化のメリットを実感してもらうほかないのかもしれません。

岡本:うちはこの6年間、トライアル&エラーの連続でした。何かアクションを起こすたびに問題が発生して、一つひとつさかのぼって解決していくしかありませんでした。そうした経験の中で得た教訓は、パッケージ化されたシステムを買うだけではダメだということ。既存のシステムに新たなシステムを連結すればもっとよくなると考えて購入するわけですが、システムとシステムの間の継ぎ目で必ずアナログ的なプロセスが生じるんですよね。新しいシステムを入れるたびに同様の問題が発生するので、その隙間を埋めるような商品があったらすごくいいなと思います。

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コアマシナリーも工場内にPCを配置し、簡単に情報共有できる仕組みを構築している。移動しなくても従来のコミュニケーションの質・量を得られる仕組みをつくりたいという

延生:私もこれまで必要に迫られて、いろいろなソフトを導入してきましたが、最初はだいたい失敗しますね。でも、その失敗が別のところで生きてくる場合が多々あるので、トライアル&エラーに立ち向かう姿勢はこれからも持ち続けたいですね。

失敗や葛藤を乗り越える、自治のマインド

――IT導入とは別のアプローチでの働き方の見直しはどうでしょうか。

大滝:うちは大工職の働き方を抜本的に変える取り組みを進めています。大工職は古くからの慣習で正社員であっても日給月給制が当たり前で、1日なんぼの世界なんですね。だから土曜日も当然働くという土壌が出来上がっていて、休みたい気持ちはあっても「建設業だからしょうがない」と半分諦めているような状態です。そこをまず変えていかないと新しい人材は入って来ないと思ったので、「工務店をアップデートする」と宣言して、土日を原則休みにして完全週休二日制・固定月給制を導入しました。その分、休日出勤代がものすごくかさんでいるんですが、未来を変えるための先行投資と心得て、なんとか踏ん張っていくつもりです。

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古くからの慣習で、建設現場で働く人は週休1日が一般的。大滝工務店はその常識を変えようと、大工職の週休二日制・固定月給制の導入に踏み切った

――昔ながらの慣習、しかも業界全体に浸透しているものを打ち破るのは難しそうですね。

大滝:去年からスタートして、今まさにトライしている真っ只中です。土曜日出勤を前提にスケジュールを組まれていますし、お客さんに土曜日は休ませてもらいますとはなかなか言いにくいのもあって、週休二日制の完全移行はできていません。それに土曜日が休みになると、左官屋さんや屋根屋さんといった下請けの業者さんが困るという実情もあるので、そのあたりのケアもしながら、緩やかに移行していきたいと思っています。

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大滝工務店ではウエダ本社の力を借りながらオフィスの改革も進めている。ワークショップなどを通じてそもそもの働く目的からオフィスの形を考えていく

岡本:うちも受注型の事業なので、大滝さんのお話に大変共感しました。ITを導入しました、従業員が働きやすくなりましたと言ったところで、お客さんは別に喜んでくれないんですよね。お客さんにとっては、望むタイミングで望むものがそろっているかどうかがポイントです。お客さんの要望にはできるだけ応えたい。でも、そのために毎日ヘトヘトになるまで働くのは違うだろうと思っています。親が疲れた顔で家に帰って、仕事の愚痴をこぼしてばかりいたら、その子どもは将来働きたいと思えるでしょうか。家族との時間を確保し、なおかつ、お客さんの要望にも応えられるように、私たちはテクノロジーを生かして最大限の努力をしていきたい。ただ、国の働き方改革に関する法整備によって労働時間短縮の動きが加速する中、制度と現実の狭間では苦労しています。

大滝:私の悩みとしては、掲げる理想と自分自身の意識の間ですごく葛藤があります。例えば、生産性を上げて残業ゼロにしましょうとなったときに、成長過程にある若手が定時に帰るのを手放しで喜べるんだろうかとか、リモートワークを標準とした場合に自由と放任の境目はどこなんだろうとか、いろいろな思いが錯綜して答えが出せずにいます。

延生:その悩みにはすごく共感します。私はIT会社では創業時から時間を拘束して働くというマインドがなく、いつ働こうがそれぞれの責任をきっちり果たすことに重きを置いて経営してきましたが、ほかのグループ会社にはそういう文化も仕組みもないので、軽はずみに実行できません。本当にできるのだろうかと思ってしまうこともあります。

岡本:私もその悩みの解が出るには時間がかかるだろうなと思っています。製造業や建築業は、ものをつくっている、つまり現物のやりとりが発生するので、リモートワークやデータのやりとりだけでは仕事が成り立たない分野ですよね。だから、ある程度拘束された中で裁量を増やしていくしかない。働き方を変えるときって、実は外部から価値観を押し付けられて始まるケースが多いと思うんですよね。でも、新しいツールや制度を導入するなら、自分たちで考え、運営していくという自治のマインドがなければうまく成立しないだろうなと、数々のトライアル&エラーを繰り返してきた中で気付かされました。

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自分たちが住む関西で、常識を覆そうとトライ&エラーを繰り返す中小企業経営者のみなさんの話を聞き、あらためてそのパワフルさを実感したCO-UPDATE KANSAIのメンバー

もはや「地方」や「中小企業」がハンデではない時代へ

­――失敗すらも先につなげていく、みなさんの底力を垣間見ることができました。コロナ禍でますます先の見えない世の中になっていく中、企業として今後どのような姿を目指していきたいか、また、どのような組織にしていきたいか、会社の将来像についてお聞かせください。

延生:今まではグループ会社内の連携にとどまっていましたが、これからは当社のコワーキングスペースを通じて、地域全体に蓄えられた技術や人材、マーケットなどと連携し、新しい取り組みを積極的に行っていきたいですね。グループ会社においても、自分たちが持っている設備や資源を使って新たなチャレンジをし、地域経済のために貢献できることがないか、模索を続けながら成長していきたいと考えています。

岡本:ものづくりの現場は今後さらに自動化・テクノロジー化が進んでいくと予想されます。莫大な投資ができない当社のような町工場は、コンパクトな取り組みを大きく展開し、最大限の効果を出すことに注力していきたいと考えています。今後起こり得るさまざまな展開を見据えて、多次元的に物事を実現できる会社にしていきたいですね。

大滝:私はもう、地方にあることや中小企業であることがハンデだとは思っていません。全国横並びの競争と思っているので、その中で選ばれる存在となれるように、引き続き、建設業や中小企業の「しょうがない」をなくす努力を続けていきます。会社の理想像は、小さくても偉大なスモール・ジャイアントですかね。「なんか面白い工務店が舞鶴にあるぞ」と認知され、地域の星、中小企業の星になっていきたいと思います。

聞き手/オプテージ 霜野佑介、下田平卓也、辻善太郎、布本泰朗、奥田真史、南海電気鉄道 粉川純一、豊田真菜、ウエダ本社 王智英、浅井葉月

(文/岡田香絵)

編集後記

国の施策や社会の風潮に流されず、明確な目的意識のもとで自前の働き方改革を実践してきたみなさんからのお話は、メンバー一同に多くの学びを与えてくれました。

IT導入に関して「単純に導入するだけでは失敗する。自分たちで考え、運用する自治のマインドが大切」というコメントは、CO-UPDATE KANSAIメンバーの多くが印象に残った言葉として受け止めていました。オプテージは「IT事業者側もツールやサービスの提案以前に、なぜIT化が必要か、IT化を進めてどうなりたいのか、そういった目的部分をお客さま目線で提案していく必要性があると感じた」と話しました。南海電気鉄道は「自社事業を拡大解釈すれば、どんな業種でも地域貢献を果たせるという大滝さんの話が印象的。自分たちもその考え方に倣い、自社事業を広い視野でとらえ直したい」とコメント。ウエダ本社は「ここまでできるのかと、三者三様の熱意ある取り組みに大変刺激を受けた。企業の大小にかかわらず、同様の動きが全国へ広がってほしい」と、関西の中小企業のポテンシャルの高さを再認識したようです。

  • 大滝雄介さん株式会社大滝工務店 代表
    1982年京都府生まれ。株式会社NTTデータに入社し、システムエンジニアとして勤務。2007年、祖父の代から続く株式会社大滝工務店の代表取締役社長に就任。「中小企業の星になる」と表明し、休日出勤の撤廃や職場環境の改善などの社内改革を推進。工務店経営の傍ら、地域振興から人材育成まで幅広く手がけるまちづくり会社を運営する。
  • 岡本真樹さんコアマシナリー株式会社 代表
    1982年京都府生まれ。京都府職員を経て、株式会社田中技研(現コアマシナリー株式会社)に入社。営業、製造部門などを経験したのち、2016年、MBOにより代表取締役社長に就任。経営体制を刷新し、平均年齢40歳未満の若手技術者集団をつくり上げる。同社初のBtoC商品「ソリッドハニカムテーブル」が京都デザイン賞2020京都府知事賞を受賞。
  • 延生康二さん延生建設株式会社 代表
    1983年大阪府生まれ。2008年、ライジング株式会社を立ち上げ、Web制作、ECサイト事業を展開。現在は、祖父が創業した帯鉄メーカー・延生金属株式会社の執行役員、父が創業した建設会社・延生建設株式会社の代表取締役社長も務める。2020年にはコワーキングスペース運営企業として、株式会社ポートフォリオを設立した。

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