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ってなに?

【「ちょうどいい」働く場 】多様な視点で探索を! 新プロジェクト始動します

プロジェクト② 「ちょうどいい」働く場

2020.05.22
【「ちょうどいい」働く場 】多様な視点で探索を! 新プロジェクト始動します

社会課題を探索し、ポジティブな視点で共創による課題解決や価値創造に取り組む活動「コ・アップデート・関西」。2019年度のテーマとした「空き家があるまちの未来」は、半年のリサーチ期間と議論を経て、現在はそこから生まれた複数のプロジェクトが同時進行で進んでいます。その模様もお伝えしていきつつ、2020年からは新たなステップにも踏み出します。

次なるテーマ案として挙がっていたのが「働き方」。2010年代から、長時間労働の是正や効率化、ダイバーシティ推進のための多様な就業形態の整備、企業をまたいだ共創による価値創出などが起こり、働く当事者としても変化を実感するトピックです。そのような中、新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)が世界的に発生。影響は仕事に留まらず、生活の全てに及んでいます。

不可視のウイルスによってこれまでになく急速な変化に迫られている、私たちの働き方。特に移動や人との接触が制限されたことにより、人によっては当たり前となっていた満員電車での通勤がなくなり、在宅でのリモートワークが急速に普及しました。リモートワークのメリットと新たに生まれている課題は何か、これまで執務室として機能していたオフィスは今後どのような意味を持つ場になっていくのか。私たちは多大な影響が出ている「働く場」を次なるプロジェクトの軸に据え、現在進行形で起こる変化や未来の在り方を探索することにしました。

メディア活動で生まれたつながりで、新プロジェクトの探索を共創する

2019年度の活動を通して得た学びの一つが、異なる立場の方々の視点を借りることの重要性。バラエティに富んだ 課題や解決のヒントを見つけられるようになり、バリエーションに富んだアイデアの種が得られるという実感がありました。

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活動フローを整理した資料。2019年の「空き家があるまちの未来」では、取材をきっかけに他企業や自治体、市民活動をする方とつながり、新たな関係性やプロジェクトが生まれた

そこで2020年度は、「課題の探索自体に、複数社で取り組む」という形を取りたいと考えました。いわば、探索活動自体の共創という新たな試みです。2019年度の取材を中心に生まれたつながりの中でも、特に新規事業開発の領域に関心の高い方々にお声がけし、多様なメンバーが集結しました!

コ・アップデート・関西の活動に参画いただくのは、「働き方」「働く場」というテーマと関わりの深い次の事業者の皆さん。南海電気鉄道株式会社、株式会社ウエダ本社、読者参加型マガジン「RE EDIT」編集部、株式会社インフォバーン。

よりよい働き方やそれに適した場は、企業規模や職場環境、業種、ライフステージによって千差万別。異なる立場と視点が好影響を与えることを期待しつつ、まずはプロジェクトメンバーでキックオフを開催しました。セッションはweb会議にて実施! その様子を各社の紹介と共にお届けします。

プロジェクトメンバー紹介:現在の働き方の変化や関心事

キックオフでは、働き方・働く場改革への取り組みや関心のあるテーマについて事前アンケートを実施しました。

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まずはコ・アップデート・関西の活動を主催する株式会社オプテージのお二人。新規事業開発チームに属し、関西の社会課題と解決のアイデアを探索中です。

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左から株式会社オプテージで新規事業開発にあたる霜野佑介、下田平卓也

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【A1.】働き方改革について
社としては、モバイルPCの配布やリモートワークの推進、サテライトオフィスの設置など、徐々に効率化が進んでいる。個人的には、今までなかった他企業との接点構築など、働き方の変化が起こっていた。

【A2.】取り組みはじめたこと
完全に在宅勤務になり、打ち合わせ全てがWEB会議へシフト。通常業務での在宅勤務の有用性は実感しつつも、社内コミュニケーションが必要最低限の情報共有のみに減っており、課題感がある。

【A3.】探索したいトピック
企業のデジタルシフト加速による働き方の変化。デジタルが必要ではあるが、オフィスでの業務や対面でのコミュニケーションにもよい点があり、功罪の両面を探索したい。
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そのほかには、web会議は対面での会議より終わったときにどっと疲れを感じるという話があり、他の参加者も「対面での会議と体感する時間の進み方が異なる」と共感していました。

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京都に本社を置く株式会社ウエダ本社のお二人。左から代表の岡村充泰さん、営業の王智英さん

次は、健康経営をテーマにした記事に出演いただいた株式会社ウエダ本社から、お二人が参加。文具卸商として創業され、現在は京都を中心に関西でオフィスをハードとソフトの両面からデザインするワークプレイスデザイン事業を行っています。

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【A1.】働き方改革について
これから重要になるのは数値化されない価値と考え、それが多く残される京都を研究・発信するイベント「京都流議定書」をスタート。参加者の価値観の変革が、働き方や働く場をつくっていくと考えている。自社内では時間有休や時差出勤を採用するなど、早い段階から独自の働き方改革に取り組んでいた。

【A2.】取り組みはじめたこと
以前からリモートワークを導入していた知見を生かし、すぐにリモートワークをサポートする提案(商品、カウンセリングサービス、エクササイズ動画のコンテンツの無料提供など)を開始。またお客さま先で飛沫感染防止を自前でされているのを見て、長期的に使用できる簡易パーティションの企画販売に踏み出した。

【A3.】探索したいトピック
新型コロナを機に、新たな取り組みをしているあらゆる企業とつながりを持ちたい。どんな効果が生まれたのかだけでなく、「なぜ取り組まれたのか」に注目し、込められた思いを知りたい。
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代表の岡村さんからは、「自社の子会社で女性活躍の課題を専門に扱うutena worksでもリモートワークを実施中だが、子育て中の女性は在宅勤務といっても状況はそれぞれ。細かく状況をキャッチアップし、働き方・環境を整えていきたい」と、まさに今働く場で起こっている課題をお話いただきました。

とにかく事業展開のスピードが速いウエダ本社さん。オプテージとともに、コ・アップデート・関西の活動を一緒に進めていくエンジンとなっていただけそうです!

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大阪府堺市の泉北ニュータウンで、地域で豊かに暮らす人を紹介する読者参加型マガジン『RE EDIT(リ エディット)』から甚田知世さん

泉北ニュータウンの市民による、手作りのローカルメディア『RE EDIT』。コ・アップデート・関西では、空き家・空きスペースを活用した取り組みを実践される市民のおひとりとして取材しました。今回はRE EDITの活動同様に、取材を行う側として参加いただきます。

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【A1.】働き方改革について
「誰もが平等に、得意を生かして暮らせる社会」を目指して『RE EDIT』を立ち上げた。「何もない」と思っている人が多い泉北の地域を、「すでにあるモノで再編集」しています。

【A2.】取り組みはじめたこと
人と自然との共生や、その関係性を築くためのデザイン手法であるパーマカルチャー。あるものを生かし、できるだけお金を使わない生き方。そういったことへの関心が高まっている。

【A3.】探索したいトピック
時代の流れの中で変化する「働く」概念や、海外の「働く」をリサーチしたい。また読者がイメージしやすいと思うので、国内の大企業の取り組みも取材したい。
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最近は、家庭内で出るゴミをできる限り減らす「ゼロ・ウェイスト」を実践中とのこと。編集者としての感度の高さや、サステナブルなトピックへの関心など、細やかな視点が加わることに期待しています!

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左から南海電気鉄道株式会社で新規事業開発やオープンイノベーションに取り組む加藤寛之さん、粉川純一さん

沿線の開発事業で泉北ニュータウンに関わられている南海電気鉄道株式会社。大阪から関西国際空港・和歌山・高野山方面をつなぎ、関西では「南海」「南海電車」の呼称で市民の足となっている鉄道会社です。新規事業開発などに携わり、日々さまざまな探索を行っているお二人が参加。

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【A1.】働き方改革について
2017年からリモートワーク用ツールが導入され始め、社外から社内のネットワークドライブへのアクセスやメールの確認が可能になるなど、徐々に取り組みが進んでいた。個人的には、2016年頃から社外との関係構築を重視し始め、業務にSNSを活用。業務内外の線引きがなくなっていった。

【A2.】取り組みはじめたこと
リモートワークが進み空間の概念がなくなったので、組織の制約もなくなっているのではと感じている。組織の壁を越え、タスクフォース型の取り組みに着手しやすくなることに期待している。

【A3.】探索したいトピック
シェアオフィスやワーケーションに興味がある。また、「働く」概念自体を捉え直す必要があると感じ、例えばアーティストなど、仕事と生活が分かれていない人の働き方に興味がある。
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「通勤や移動は単なるタイムロスか? ほかに捉え方はあるだろうか」といった鉄道会社ならではの「物理的な移動」に対する疑問も伺いました。これからの社会で捉え方が変化していくであろうトピックの一つです。

南海電気鉄道でも新たな取り組みの情報発信をする「Fly beyond」 を公開しており、コ・アップデート・関西での活動を通して、双方の会社に持ち帰る知見を得たいと思っています。

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左から株式会社インフォバーンの遠藤英之、山下佳澄、鵜林佳奈子

最後が、オプテージとともにコ・アップデート・関西の活動を推進する株式会社インフォバーンの3人。デザイン的アプローチで企業のイノベーションを支援するデザインチームに属しています。

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【A1.】働き方改革について
2010年代より広告業界全体が長時間労働の是正へ向かい、社内でも労働時間の可視化と分散が徹底。主にIT・デジタルを扱う業態であるほか、京都支社は少人数体制なこともあり、各自の効率化への工夫が歓迎されるなど、働き方の自由度は高かった。

【A2.】取り組みはじめたこと
取材活動やイベント開催、ワークショップなど、関与者と対面で行う活動が中止・延期に。各種オンラインツールを活用しながら、対面以上の効果が見込めるように調査と実践を繰り返している。

【A3.】探索したいトピック
就業場所の分散化に伴う複業の推進、それによる個人の価値や幸福追求の多様化の探索に興味がある。オフィスやコワーキングスペースの新たな在り方を模索する企業の取材も行いたい。
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プロジェクトメンバーが考える「働く場について探索してみたいこと」

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ディスカッション用のシートを画面共有しながら、対話の内容をまとめていきました

自己紹介やアンケートの共有によりメンバー間の相互理解ができたところで、グループに分かれてディスカッションを行ないました。テーマは、「働く場について探索してみたいこと」。アンケートで共有した内容をグループ内で深掘りしていきます。

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Aチームのディスカッション内容サマリー

Aチームでは、「ワーケーション」をキーワードに、実施したことのあるウエダ本社のエピソードがベースとなり、ディスカッションが開始。働き方を変えていくためには、ワーケーションを行う社員の実務上の変化だけでなく、周囲の従業員の意識改革や既存とは異なる評価制度が必要になるといった実践的な内容が話し合われました。

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Bチームのディスカッション内容サマリー

一方Bチームでは、「働く」ことと「暮らし」の距離が近づいて来ているという肌感から、概念的な変化に注目。「働く×〇〇」として、暮らしや遊び、子ども、飲み物など、「働く」ことの周辺にある活動から、新しい働き方を見つけたいという思いが明らかに。仕事への取り組み方が大きく変わっている現状をあらわすディスカッションになりました。

Aチームでは組織に必要な新たな枠組みという具体性が、Bチームでは「働く」概念の拡張が議論の中心に。こうした対称性が生まれるのも、グループディスカッションの楽しさです。



初めて顔をそろえるキックオフがオンラインでの開催となりましたが、異なるバックグランドを持つメンバーが、それぞれの視点から意見を混ぜ合わせるという期待していたことが、すでに起こっていると感じられる滑り出しでした。
 
近年のデジタルトランスフォーメーションで変化しつつあった社会が、世界的な感染症の発生に直面し、より不確実さを増しています。このプロジェクトに限らず、既存の仕組みでは解決が出来ないことがさらに増えていくのではないかと感じます。

私たち自身にも変革が迫られる中、まさに今生まれている「働く場」の課題をチームとして探索し、その探索自体も新たな仲間を増やすプロセスとしていきたいと思います。

(文/山下佳澄)

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