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ってなに?

最前線で働く人々を見守り、助ける デジタル技術に託された安全・安心の未来

プロジェクト③ 製造現場で求められるDXの本質

2021.09.17
最前線で働く人々を見守り、助ける
デジタル技術に託された安全・安心の未来

工場や建設現場、倉庫などで働く「現場職」が多数を占める業種では、人手不足により作業員の負担が大きくなりがちで、労災などの危険性もあります。60代以上の高齢者雇用も増加するなか、作業員一人ひとりの安全と健康を守るにはどうすればよいのでしょうか。

今回は、最新のテクノロジーを駆使し、現場職の課題解決に資する製品・サービスを提供しているテック企業2社に注目。作業員の負担軽減に着目したパワードウェアを手掛けるATOUNの代表・藤本弘道さんと、労災事故防止を目的としたAIサービスを提供するLightblue Technology代表・園田亜斗夢さんをお招きし、これまでの成果や課題、その先にある未来について語っていただきました。

オンラインで実施した取材には、法人向けの新サービス開発を担うオプテージのメンバーも参加。安全対策ツールを足がかりとした現場のDXについて質問を行いました。

ロボット技術と画像解析技術で、作業現場をより安全に

――お二人には起業家という共通点がありますので、まずは会社の成り立ちから教えてください。

藤本:ATOUNは、私が以前勤めていたパナソニックの社内ベンチャー制度のもとで、2003年に設立した会社です。「年齢や性別に左右されずに働くことができるパワーバリアレス社会を2020年に実現する」と宣言し、着るロボットを開発してきました。重量物を取り扱う作業員の腰や腕の機能をアシストするパワードウェアの開発は、プロトタイプの製作を経て、現在販売中のATOUN MODEL Y」シリーズを発売開始したのが2018年。MODEL Yシリーズだけで販売累計約1000台に達し、パワーバリアレス社会の入口には立てたかなと感じています。

なぜパワードウェアだったかというと、長年モーター事業部のエンジニアとして動力系のプロダクトに携わってきたのもありますが、そもそもの動機は「SFに描かれる未来をできるだけ前倒ししたい」という、いちSFファンの願望ですね。自分たちでもSFの未来を描き、そこからバックキャストして、ひとつずつ実現していけば面白いんじゃないかという発想で、お客さまとビジョンを共有しながら形づくってきました。

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SF世界をロボット技術で実現する"未来実装家"を名乗るATOUN代表の藤本さん。社名は、パワードウェアの開発指針にもなっている、人とロボットが調和し、人間の動きを「あうん」の呼吸でサポートするという思いから付けられたという

園田:僕がLightblue Technologyを立ち上げたのは2018年。大学院に在籍しながら起業した、いわゆる学生ベンチャーです。研究室で画像データなどから必要な情報を抽出するAIエンジンを開発し、社会で役立てる方法を考え始めたときに、ふと九州で林業を営んでいる家族のことが頭に浮かびました。

母方の実家は代々林業を営んでいて、祖父や従兄弟も林業に携わっています。林業は山林を管理して木材を得るだけでなく、減災や水産業のための環境保護、稲作の水資源確保などの観点でも非常に重要な産業なのですが、労災事故の発生率が最も高い産業でもあります。天候不良がもとで事故に遭う危険もあり、僕の祖母も雨が降り出すたびに「山の方は大丈夫かな」と家族の身を案じていました。

一方で、僕のように都会でオフィスワークをしていたら、災害級の雨でも降らない限り家族は心配しませんよね。そんなふうに、事故の可能性に対して産業間に大きなギャップがあることに気付き、デジタル技術でその差を少しでも埋めたいと思ったのが起業のきっかけです。現在は、人にフォーカスした画像解析で、工場や建設現場などで働く作業員の動きを細かく把握し、安全性向上や生産性向上につなげるAIサービスを展開しています。

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Lightblue Technology代表・園田さんは、現在も東京大学大学院の博士課程に在籍し、AIの社会実装などを研究中。同社では清水建設との共同開発を実現するなど、猛スピードで成長している

――ご紹介のあった製品やサービスは、主にどのような現場で使われているのでしょうか。

藤本:わが社のパワードウェアは、製造業や物流業、建設・土木業など、多岐にわたる業種に提供しています。例えば、空港で手荷物の積み下ろし作業を担うスタッフであるとか、工事現場や工場などで資材を運ぶ作業員であるとか、力作業が伴う作業現場で頻繁に使われています。形や大きさが一定で運搬経路が決まっていれば丸ごと機械に任せることもできますが、そうでない場合は人間が作業した方がよいことが多いです

そういった現場は腰への負担も大きく、深刻な場合は本人の意思にかかわらず配置転換を余儀なくされることも珍しくありません。それは体を動かすのが好きでその仕事に就いた人の気持ちを蔑ろにしてしまうことになります。企業としても、人を入れ替えたところで根本的な解決にはならないし、代わりの人が仕事に慣れるまでの間は作業品質や作業量が下がり、経済的な損失も発生しますよね。ですから、従業員の体を大切にすることは経営に直結すると考え、多様な働き方と止まらない現場、この2つを目指して導入されるケースが多いです。逆に、作業効率を上げるために導入する例は意外と少ないですね。

最近は、自動化のために新しい機械を入れた結果、かえって現場の負担が大きくなり、パワードウェアの導入に至ったケースもあります。それまで休憩感覚で行っていた単調な作業を全部機械に奪われて、きつい作業ばかりを人間に押し付けられて大変だという声が現場から上がったそうです。機械は人間が楽だと感じる作業を繰り返し行うのが得意ですからね。

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空港での手荷物搭載などのグランドハンドリングを担うJALグランドサービスでは、乗客の手荷物の積み下ろし作業にATOUNのパワードウェアを導入。体力に自信のない女性でも継続的に作業を行えるようになったという

園田:僕たちのサービスは「ヒューマンセンシングAI」と呼んでいるのですが、主に製造業や建設業の作業現場における労災事故防止、人為ミス防止の目的で導入されています。事故やミスはさまざまな状況下で発生しますが、根本的な原因のひとつに「疲労」が挙げられます。人間は必ず疲れますし、同じ作業を続けていると集中力が低下するためです。

そこで、カメラを介した画像解析で人の動作などを細かく分析し、今、その人が何の作業をし、どのような状態にあるのかを把握することで、正しい状況との差分を可視化します。例えば、動作の乱れや停止などが認められたときには「体調が悪いのでは?」という予測のもとで異常を検知し、重大な事故やミスが起きる前に対処することができます。また、人の動きと同時に、建設資材や工事用車両などの物体検知もできるので、危険物が作業者に接近していることを検知してアラームを出すといったことも可能です。

このようにダイレクトな安全対策のほかに、作業負担の大きそうなところを見つけ出し、調整することによって、業務全体の効率化や生産性向上につなげ、事故が起きづらい現場をつくることも可能です。生産性が上がれば、残業などの過重労働が減り、おのずと疲労による事故やミスも減りますから、そうした好循環を生み出すためのツールとしても活用されています。

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ヒューマンセンシングAIは、人を線で表して姿勢を推定する技術や、人の位置や顔の向きなどを認識するAI技術を組み合わせて、時系列を考慮し解析することで、ヒトの動作解析を実現している。例えば建設現場では、重機などの接近に気付いていない作業員へアラームを発したりして事故リスクを軽減させる

――両社とも安全対策+αの効果が期待できるんですね。Lightblue TechnologyさんのAIサービスは、近年導入が増えている監視カメラの価値をさらに上げるもののように感じました。

園田:僕たちのサービスを利用することで、監視カメラで撮りっぱなしの状態を大きく変えることができます。通信環境の整備やデバイスの低価格化に伴い、カメラを現場に導入する企業は近年増えていますが、多くの場合、何らかの問題が発生した後の確認用にとどまっていて、問題がなければ確認されることなく削除・上書きされています。映像を全て確認するのには大変な時間を要するため、そうなるのも無理はありません。一方、僕たちのサービスなら、映像データを時間ごとにログデータ化でき、指示内容にもよりますが、3秒で1時間分あるいは1日分のデータを確認することができます。そうするとカメラを導入した価値もより出てくると思います。

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狭い足場や階段が多いプラント工場では、転倒防止のためにヒューマンセンシングAIが導入されている。「走る」「よそ見」といった危険度の高い動作を見つけ出し、事故やケガの発生を未然に防ぐことができる

――ATOUNさんのパワードウェアの使用感や得られる効果も教えてください。

藤本:「着るロボット」と聞くと、装着するやいなや、ものすごい力持ちに変身できるんじゃないかと期待されるかもしれませんが、そこまでじゃないです(笑)。あくまでその人の身体能力の範囲内で、荷物などを運ぶときに腰や腕にかかる負担を和らげ、作業を継続しやすくなるものとお考えください。例えるなら、電動アシスト自転車ですね。自動的にスイスイ走るバイクではないということです。

園田:分かりやすい例えですね。実は僕、少し前に生まれて初めて電動アシスト自転車を使ったんですけれど、想像していた以上に運転が楽でびっくりしました。ATOUNさんのパワードウェアも実際使った人にしか分からない心地よさや感動があるのではないかと感じました。

藤本:ありがとうございます。心地よく感じられるように、制御機能にはかなりこだわっています。動くたびに違和感があるようでは使いづらいし、かえって作業効率が落ちるので、人の動作を瞬時に読み取る高性能センサーをモーターと連動させ、着けていないときと変わらないくらいスムーズに動く仕組みにしています。

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腰のアシストに特化した基幹モデルのほか、腕の補助機能を追加したタイプや、歩行支援型タイプが続々と誕生。歩行支援型は作業現場のみならず、福祉の現場でも注目されている

テクノロジーが生かされる、明確な目的意識を持つ現場

――安全意識の高さ以外で、製品・サービスを導入する企業に何か共通する部分はありますか。

藤本:中小企業では、この現場のこの人に使ってもらうんだと、はっきりとターゲットを決めて導入されるお客さまが非常に多いです。経営者と従業員の距離が近く、困りごとを見聞きする機会が多い現場では、経営者の判断でスピーディーに物事が進む傾向がありますね。会社の規模が大きくなると、そうはいきません。誰のためにというのが見えにくいので、例えば現場に対してアンケートを取った結果、67割はもともと元気ですから「パワードウェアは不要」という意見が多数を占め、腰痛などに悩んで「必要」と答えた少数派の意見は無視されたまま、導入が見送られることもあります。特に大企業の導入については、個々の多様な働き方を尊重する考えがあるかないかが大きく関係している気がしますね。

園田:僕が感じるのは、経営者や決定権を持つ方の、新しいテクノロジーに対する関心の高さです。特に技術者出身の方に多いのですが、デジタル技術には詳しくなくても、「そんなことができるの?面白そうだね」と興味津々で話を聞いてくれて、「うちはこんなふうに使いたい」と目的意識を持って導入を決める方が多い印象です。

――パワードウェアを導入した現場の反応はいかがですか。

藤本:最初のうちは気恥ずかしさがあるようです。周りの人が温かく見守ってくれるといいんですけれど、たまに茶化す人がいるんですよね、特に関西は(笑)。ユーザーが2人以上いると特別感が薄れるので、ぜひ2台からとお願いしています。そういった問題を除けば、割とすんなり受け入れられています。めずらしいところでは、かまぼこ工場で導入してもらっていて、1台につき年間20万回の頻度で使われています。年に一度のメンテナンスで戻ってくると磯の香りが染み付いていて、役立ててもらっているんだなぁとうれしくなりますね。

オプテージ:導入までの過程で難しさを感じることはありますか。あれば、その解決策も教えてください。

園田:藤本さんが先ほどおっしゃっていた「着ければ力持ちになれる」みたいな、テクノロジーに対する過度な期待を持たれる方が時々いらして、認識を正していくのに難しさを感じます。例えば、作業が50分類あったら50分類全てを見える化して、事故やミスを100%防げるかというと、それはちょっと厳しいわけで......。

自動車の衝突被害軽減ブレーキは、逆光や雨などの影響で検知できない場合もあり、あくまで補助的な仕組みですが、運転者の過信によって事故が起きるケースもあります。それと同じく、精度70%程度で事故を半減させられるなら使ってみようと考えるか、100%じゃないと意味がないと考えるかで、導入の是非や運用の仕方も変わってくると思います。認識や目的をはっきりさせるためには、事前のヒアリングが重要になってくるのではないでしょうか。

藤本:ここまではできる、これ以上はできないという前提条件を事前に説明しておかないと、後でがっかりされてしまいますからね。わが社の場合は、試着してもらうのが一番手っ取り早いんですけれど、コロナ禍で身動きが取りにくくなったので、最近はまずリモートでコミュニケーションを取り、お互いに理解を深めてから作業現場で試してもらうというプロセスが定着しつつあります。

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パワードウェアの機能性を体感してもらうため、コロナ禍以前は合同展示会へも出展していたATOUN。「商談まで発展するのはやはり課題意識を持ったお客さまだけ」と実感し、展示会はあくまで認知向上の機会ととらえている

アナログとデジタルの距離感を縮めるきっかけに

――今後DXに本腰を入れたいと考えている企業は多いと思いますが、テック企業としてどのような役割を果たしていきたいですか。

藤本:わが社のお客さまの多くは人が体を動かしているアナログ寄りの現場で、デジタルからはまだまだ離れたところにいます。最後まで人が残っている領域は一足跳びにDXを達成するのが難しいけれど、アナログとデジタルの中間的な立ち位置のパワードウェアならDXの入口としての役割を果たせると考えています。デジタル技術を使って人の動きを見える化したとしても、結局はもう一度アナログに戻して、人の行動を変化させなければ意味がありません。DXといえども最終的なアウトプットにはアナログ要素が必要になってくるんです。その点、パワードウェアは最初から人の体にくっついている状態なので、行動変容につなげやすいという価値があります。

さらに、今までDXへの意識が弱かった現場でも、パワードウェアを身に着けるという物理的な変化によって、意識も変化していくことはあるようです。装着することで自分の何が変わったのかを理解するようになり、それまで改善意識が乏しかった現場で作業の工夫が始まったという話を経営者の方から聞きました。

園田:僕たちはまずDXをめぐるIT業界の課題を克服したいと考えています。今、あらゆる産業でDXが目指されているなかで、実は僕たちテック企業は倫理的に難しい立場にあります。そもそもDXとは、デジタル化できていないものをデジタル化し、さらに付加価値をつけて産業やビジネスのあり方を変えていくもので、僕たちのミッションはそのお手伝いをすることです。でも、DXというゴールドラッシュで最も稼いでいるのは、DXを果たした企業ではなく、スコップを提供しているわれわれの方なのではないかと指摘される方もいます。

――園田さんが感じている業界の矛盾や葛藤を解消する手立てはあるのでしょうか。

園田:できるだけ汎用性が高くて費用を抑えられるようなスコップをつくり、DXという鉱山に向かっているレガシー産業の方々に金脈を掘り当てていただく支援をする必要があると考えています。その点、僕たちのヒューマンセンシングAIは、人にフォーカスした画像解析に特化していますが、実は幅広い業界で汎用的に使ってもらえるスコップだと言えます。建設現場であろうと、食品工場であろうと、鉄道の駅であろうと、人の動きや服のつくりは基本的にみんな同じですから、開発にかかる費用を抑えることができます。いずれは中小企業の方でも使いやすい、価格を抑えた汎用モデルづくりに取り組んでいきたいと考えています。

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2020年のコロナ禍を受け、ヒューマンセンシングAIを活用したアプリケーション「マスク着用声掛けAI」や「手洗い時間判定AI」を開発。2020年末までアプリの無料提供を実施し、社会全体の感染予防に貢献した

あらゆるギャップを埋めるテクノロジーをすみずみへ

――「作業員の安全と健康」にかかわる分野で、今後挑戦したい取り組みなどがあれば教えてください。

藤本:「パワーバリアレス社会」に続いて、今、私たちは"人間拡張"をキーワードに「フリーアビリティ社会」の実現を目指しています。つまり、パワーをアビリティ(スキル)まで拡張させて、境目をなくしていくというものです。

通常、スキルを身に付けるのには時間がかかりますが、ある程度のスキルであればダウンロードするだけですぐに身に付けられるのではないか、と。例えば、製造現場での基礎的な体の動きをダウンロードすることによって、入社当日から数年上の先輩とほとんど同じ動きができれば、ケガや事故のリスクが低減するでしょう。

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ATOUNは2020年に世界的なクリエイティブ集団「PARTY」の協力のもと、Sci-Fiプロトタイピングという手法を生かして、2030年のライフスタイルを物語で描き、そこからバックキャスティングして開発するプロダクトを構想している

――安全性の向上のみならず、技能・技術伝承の問題解決にも貢献し得る、製造業の現場にとっては願ってもない未来ですね。

藤本:SF好きの立場から言えば、人間拡張はあくまで通過点。その次は"人間覚醒"に挑戦するつもりです。実はパワードウェアの動作データを調べたところ、装置をはずした直後、身体機能がごくわずかに向上しているケースが複数見つかったんです。したがって、眠っている能力を呼び覚ますことも可能なのではと考えました。ほかにも、人間の脳に反応して動くロボットアームとか、2つの体験を同時にできるコピーロボットとか、いろいろなプランがあるんですが、語り出すと止まらなくなるのでこのへんで(笑)

――まさにSFの世界を垣間見たような、夢のあるお話をありがとうございます。園田さんはいかがでしょうか。

園田:一転して現実的な話になりますが、実は近年、労災による死亡事故は減っているものの、休業4日以上の労災事故は逆に増えているんです。不景気になると、雇用不安から労災申請をためらう人が増えるとも言われており、今後の経済状況によっては"見えない労災事故"の増加も懸念されます。製造業や建設業など、日々事故の危険にさらされている人たちがいる一方で、僕の会社の若い社員のように労災事故の実態をほとんど知らずに働いている人たちもいます。

2020年春からテレワークが急速に普及し、デジタル化が社会全体で進んでいるような風潮がありますが、エッセンシャルワーカーをはじめとするリアルの現場を持つ業種・職種ではデジタル化は遅々として進まず、テクノロジーの恩恵を受けられずにいますよね。格差拡大の一因とも言われるこのギャップ、そして先ほど触れた労災事故に対する産業間のギャップ、これらのギャップを長期的に埋めていけるようにデジタル技術を汎用的に広げていくのが当面の目標です。

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園田さんが目指すのは、起業のルーツである林業の現場をはじめ、危険の伴う全ての作業現場の安全性が守られた「労災事故ゼロの社会」。その実現に向けて、ヒューマンセンシング技術のスタンダード化に挑戦する

藤本:お互いに頑張っていきましょうね。早速ですが、お客さまに配信しているメルマガで園田さんの会社のことを紹介してもいいですか? 興味を持つ方が結構いると思うので。

園田:僕もまったく同じことを考えていました! 一緒にウェビナーを開催するのもいいですね。今後ともよろしくお願いします。

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両社のプロダクトやサービスの導入をめぐる具体的な事例に触れ、オプテージのメンバー一同、「現場の安全対策は、会社そのものを変えるきっかけになり得る」と確信を得た様子

聞き手/オプテージ 奥田奈央、林野紳一、森前和宣、霜野佑介、辻善太郎

(文/岡田香絵)

編集後記

製造現場の最前線で働く人々が安全かつ健康に働き続けるためには何が必要なのか。その最先端のテクノロジーについて対談した藤本さんと園田さん。手法やプロセスは異なるものの、飽くなき挑戦を続けるベンチャー精神が共有されていました

自社でも「みまもりWatch」や「踏切AI監視カメラ」といった人の健康や安全を支援する事業を展開しているオプテージ。取材に参加したメンバーからは「パワードウェアのお話から、安全対策は多様な働き方の実現につながるという新たな視点が得られた」「安全性と生産性の両方を追求する画像解析のソリューションは、中小製造業に変革をもたらす可能性大」といった両社の製品・サービスを評価する声が続出。また、「デジタルとアナログの中間的なハードウェアをDXの入口としながら、その先でデータを活用するという流れはとても参考になった」「まずは現場ごとの課題を共有し、目的を明確にすることが重要だと再確認できた」と事業展開のヒントも得られたようです。今後もDXのすそ野を広げるべく、製造業をはじめとした現場のリアルな声に耳を傾けていきたいと思います。

  • 藤本弘道さん株式会社ATOUN 代表
    1970年大阪府生まれ奈良県育ち。大学院修了後、パナソニック株式会社に入社。2003年、社内ベンチャー制度「パナソニック・スピンアップ・ファンド」により、アクティブリンク株式会社(現 株式会社ATOUN、奈良県奈良市)を設立。2010年に力仕事の負担軽減を目的としたパワードウェアの事業構想に着手し、2014年の試作機完成を機に実用化へ。2021年1月には腰と腕の動きをアシストする最新モデル「ATOUN MODEL Y + kote」を発売した。
  • 園田亜斗夢さん株式会社Lightblue Technology 代表
    1993年宮崎県生まれ。東京大学大学院博士課程に在籍中。2018年、研究課題とするAIエンジンの社会実装を目指し、AIサービスの開発を手掛ける株式会社Lightblue Technology(東京都千代田区)を設立。現場作業員の動きをデータ化・可視化する「ヒューマンセンシングAI」を自社開発し、現場の安全性の向上や業務効率の改善に貢献している。

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