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【活動レポート】企業のあり方から考える、変化する「働き方・働く場」の現状課題と理想像

プロジェクト② ”ちょうどいい”働き方・働く場

2021.03.31
【活動レポート】企業のあり方から考える、変化する
「働き方・働く場」の現状課題と理想像

新型コロナウイルス感染症が世界的な流行を見せた2020年。人々の暮らしは大きな変化を求められました。「コ・アップデート関西」で探索テーマとした「働き方・働く場」においても、ご存じの通り影響は大きく、リモートワークの導入、ワーケーションという概念、様々なトピックが話題になりました。

私たちのプロジェクト序盤では「働き方・働く場」を広く研究・実践されている大学教授、ワークプレイスデザイン企業、そして具体的なサービスを展開されている事業者への取材を重ねました。取材で得られた気付きを基に議論を繰り返し、二つの仮説を導き出し、中間発表として下記の記事にまとめました。

【活動レポート・前編】「"ちょうどいい"働き方・働く場」を探索してたどり着いた2つの仮説

https://co-upk.optage.co.jp/projects/reflections-on-the-work-place-project-1.html

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一つ目の仮説は「働く場」の選択肢が多様化していく流れにおいて、働く各人が自身やチームの仕事の本質を理解し、より自律的に場を組み合わせていく「個人の仕事に対するオーナーシップ」が、これからの働きやすさをつくっていくのだと整理しました。

二つ目の仮説では多様化する選択肢の選び方について、特に新型コロナウイルス感染症流行以降、二項対立で語られがちであったオフィスワークとリモートワークの関係性を捉えなおしました。現時点では双方にメリット・デメリットがあり、個人や組織がそれぞれの利点・課題を把握したうえで役割を決め、課題を補い合い、利点を選びとるように働き方をつくっていくことが重要なのではないかと考えました。

"ちょうどいい"働き方・働く場」探索後半戦

働き方の多様性と本質に迫る

中間発表のあとも私たちの探索は続きます。変化の先にある「"ちょうどいい"働き方・働く場」を考える、多様な視点を得るために取材を重ねました。

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不確実性の高い時代のオフィスは事業の変化とともに高速で変えていく

https://co-upk.optage.co.jp/projects/how-to-work-in-a-venture.html

ベンチャー企業の経営者である、株式会社ヌーラボの代表・橋本正徳さんと株式会社プレイドの代表・倉橋健太さんとともに働き方や働く場について考えました。制度に対する柔軟な発想と、裏にあるこだわり。不確実性の高い環境で起業し、企業を成長させてきたお二人ならではの対談となりました。

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社員と会社が対等な関係だからこそ、会社が「守りたい居場所」になる

https://co-upk.optage.co.jp/projects/human-resource-management.html

誰もが知る食品メーカー・カゴメ株式会社の人事最高責任者(CHO)・有沢正人さんと、フルリモートワークの実践でも話題となったソフトウェア開発企業・株式会社ソニックガーデンの代表・倉貫義人さんに、働き方の自由度を高める制度を導入した方法とその背景にある思い、個人のやりたいことを軸にした人事・経営のあり方についてお話しいただきました。

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老舗BtoB企業が取り組んだ社員の意識を変えるオフィスづくり

https://co-upk.optage.co.jp/projects/how-to-make-work-place.html

地域の老舗BtoB企業が取り組んだ、社員の働き方と組織の改革を軸とする新しいオフィスづくりに注目。大阪・大阪市を拠点とする中西金属工業株式会社の本社敷地内交流スペース「Cross Park」と、福井・福井市で製造業を営む日華化学株式会社の研究開発拠点「NICCA イノベーションセンター」の取り組みを取り上げました。働き方に対する社員の意識を変える方法として、場の持つ価値が語られました。

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「環境としてのIT」から「経営としてのIT」へ 情報システム部門から見た新しい働き方

https://co-upk.optage.co.jp/projects/information-system.html

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに大きく変わり始めた企業の働き方。その基盤を支える情シス(情報システム部門)の重要性が見直されています。中小企業の「ひとり情シス」から大企業の担当者まで幅広いメンバーで構成される自律的なオンラインコミュニティ「情シスslack」を取材しました。経営とも結びつく情シス的思考、気づきの多い座談会となりました。

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仮想オフィスに会社訪問して考えた未来のオフィスコミュニケーション

https://co-upk.optage.co.jp/projects/virtual-office.html

仮想オフィスツール「Remotty」を開発・運用する株式会社ソニックガーデンの八角嘉紘さんにインタビュー。ソニックガーデンの仮想オフィスに"会社訪問"し、取材チーム全員で「Remotty」体験をしたのち、未来の働き方・働く場のあり方について議論をしました。実際に使われている仮想オフィスを体験しながらの対話は、ツールよりも「働き方」の本質に迫る内容となりました。

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仕組みを変える前にマインドを変える目的の共有から始まる「働き方改革」

https://co-upk.optage.co.jp/projects/work-styles-of-medium-sized-enterprises.html

人手不足や生産性向上の方策として、国を挙げて進められている「働き方改革」。その矢面に立たされているのは、全企業数の99%を占め、雇用の約7割を生み出している中小企業・小規模事業者です。関西の中小企業経営者をお招きし、働き方をテーマに語り合っていただきました。「働き方改革」の理想と現実を問うようなリアルな声が飛び交う座談会となりました。

ワークショップで考えた

架空の企業の「働き方・働く場」現状課題と未来の理想像

今後「働き方・働く場」の選択肢は多様化し、個人個人の仕事に対する考え方で自由に選ばれる社会が予想されます。これまでこうした変化を積極的に採り入れている組織や個人を中心に取材してきましたが、共通していたのは「変化」を目的、前提としていないことでした。それぞれの企業文化や業態にマッチしているのか? 変化が必要であっても順序や対象に配慮し、セーフティネットを準備しておく丁寧さも共通項のひとつです。事業環境や個人の価値観が大きく変化するなかで、私たちは「働き方・働く場」の変化とその先の未来について、企業がこのテーマにどう取り組むかが重要なのではと考えました。

そこで私たちは取材で得られた気付きを基に架空の企業を想像し、その企業における「働き方・働く場」の現状と、少し先にあるべき姿の変化を議論し、形にしてみました。企業の働き方・働く場を決定する要因は様々ですが、事業規模による違いは小さくなく、そのため今回はメンバーを「大企業チーム」「中小企業チーム」に分けました。そのうえで各チームごとに下記の3つのステップにてワークショップを実施しました。

1.架空の企業の創出

プロジェクトメンバーが属している企業での経験や、取材で出会った企業の「働き方・働く場」を参照しながら、架空の企業を想像しています。現実的な事情、未来への期待、多くの気づきを消化して考えた「ちょうどいい働き方・働く場」の具体化に向けた舞台設定です。

事業規模、従業員構成からビジョン・社訓まで。企業の性格を表す基本の情報を8つの項目で表す図表「ファーモグラフィクス」を作成しました。社員間のコミュニケーション、福利厚生など「働き方・働く場」を考えるうえで欠かせない、企業文化や風土についてもアイデアを出し合いました。

2.架空の企業の「働き方・働く場」の現状=ASISの議論と可視化

設定した架空の企業の「働き方・働く場」の変化をわかりやすく可視化するため、「働き方・働く場」の現状(課題)=ASISを構造化しました。

六角形のボックス=ハニカムを6つつなげ、それぞれに「働き方・働く場」がより良くなっていくために重要と考えた項目と、その項目が現状どうなっているかを議論し、埋めていきました。「どうなりたくて、いま何に困っているのか?」という問いを起点に議論を深めていきました。

3.架空の企業の「働き方・働く場」の理想像=TOBEの議論と可視化

ハニカムで構造化した架空の企業の「働き方・働く場」ASISを基に理想像=TOBEのアイデアを出し合い、ASIS同様にハニカムに落とし込みました。少し先の未来(2025年~30年)を見据えながら、現実的すぎず、夢物語になりすぎないバランスを意識しています。

ASISのハニカムを課題と捉え、「何のために、どこをどのように改善していくべきか」を議論しました。働き方の新しさやデジタル化が正しいという前提を排し、設定した架空の企業がどうあるべきか、何を実現したいのか、そのための「働き方・働く場」であると考え、議論、アイデア出しを行いました。

今回はこのワークショップで作成した「架空の企業像」「架空の企業の『働き方・働く場』の現状=ASIS、未来の理想像=TOBE」を議論のプロセスとともにスライドにまとめました。ぜひスライドを拡大してご覧ください。

CO-UPDATE KANSAI 「"ちょうどいい"働き方・働く場」探索プロジェクト中間発表 from coupdatekansai

私たちが考える「ちょうどいい働き方・働く場」の一例として架空の企業を想像し、大企業と中小企業の2パターンで現状課題と未来になりたい姿をスライドで提示しました。いかがでしたでしょうか?

大企業では事業規模ゆえに組織構造が縦割り化、不均衡が起きている中、それゆえに変化のスピードも上がらずに若手のモチベーションが低下していました。中小企業側では二代目の強い思いとリーダーシップがありながらも、変化に慣れていない風土から変えていく必要がありました。それぞれ課題とするところは違っていましたが、結果として両者ともにたどり着いたのは、テクノロジーや仕組みを活用した効率化により余白を生み、新しい取り組みに対して前向きな空気を醸成すること。そしてその先にあるのは「社員の幸福な働き方を実現することこそ、事業の成功、組織の成長につながる」という共通する思いでした。

ゆるやかな変化が新型コロナウイルス感染症流行で急加速した「働き方・働く場」のあり方。2020年度の探索から得られたヒントをメンバー間で形にする動きも出てきていますので、このメディアでも報告できればと考えています。コ・アップデート関西では、私たちの生活に密接に関係するこのテーマを引き続き意識しながら、先に進みます。

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活動の振り返り

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