CO-UPDATE KANSAICO-UPDATE KANSAI

ってなに?

住民が議論に参加するプロセスが自治体DXの先にある未来を決める

リサーチ 関西から考える未来のビジネス

2021.02.26
住民が議論に参加するプロセスが
自治体DXの先にある未来を決める

新型コロナウイルスに対応する中、日本では行政のデジタル化に注目が集まりました。自治体でも積極的にデジタルを活用するため、政府は20219月にデジタル庁(仮称)を発足させます。行政のデジタル化が進むと、私たちの暮らしやビジネスはどう変わるのでしょうか。

今回は、デジタル庁の創設に向けた検討会に有識者として参画した太田直樹さんにインタビュー。自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)による、地方自治体の変化と社会全体が抱える課題を伺いました。

オンラインで実施した取材には、オプテージのほか、南海電気鉄道、ウエダ本社、RE EDITのみなさんが参加 ITベンダー、まちを結ぶ鉄道会社、地域に関わるコミュニティと、それぞれの立場から質問を投げかけました。

自治体DXの第一歩は「行政手続きの効率化」

――最初に太田さんのお仕事についてご紹介いただけますか。

太田:今日のテーマに関するところでいうと、2015年から3年間ほど総務大臣補佐官として、2019年から1年間は総務省の政策アドバイザーとして、情報通信×地域をテーマに仕事をしてきました。2019年の秋からは東京都のDXフェローとして、週1回都庁で仕事をしています。国の仕事としては、デジタル改革に向けた3つのワーキンググループ・タスクフォースに有識者として参加し、法案検討などに関わっています。

人物画像_太田さん_0219.jpg

自身が立ち上げた会社では、企業や行政などと一緒に「テクノロジーを使ったまちづくり」に取り組んでいる、太田直樹さん

――近年は行政のデジタル化に注目が集まっています。とりわけ、地方自治体がDXに取り組むことには、どのような意義があるのでしょう?

太田:大きく分けると、緊急時と平時それぞれの行政効率というテーマがあります。

地震や台風などの災害、あるいは新型コロナウイルスのような感染症など、緊急事態に対応するのは主に自治体です。昨年、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界各国で給付金などの支給がされるなか、日本は一人当たり10万円の特別定額給付金の支払いが遅れたことに批判が集まりました。また、一部の保健所では感染者情報をファックスでやりとりしていることに疑問を抱いた人も多かったと思います。

あるいは、地震や台風で被災すると、罹災証明書の発行申請などが必要になりますが、書類の交付までに何カ月もかかることがあります。こうした事例の積み重ねによって、「行政のシステムやサービスのレベルが低い」という認識につながっていると思うんです。

――行政は現状、緊急時に必要とされるスピードに対応できていないということですね。

太田:はい。ただ、誤解がないように補足すると、特別定額給付金に関しては自治体のシステムに問題があったというよりは、国がつくったシステムがうまく動かなかったんです。

平時では、行政手続きの煩雑さが課題になっています。例えば、引越しのときに各種手続きのために会社を休んだという人は多いと思います。こうした行政手続きコストによって生じる損失額をGDPに換算すると、年間6.2兆円にもなると言われています(※1。また、法人設立や不動産登記などの手続き効率はビジネスにもダイレクトに影響します。世界銀行が発表する「ビジネス環境ランキング(Doing Business)」では、日本は29位(先進35カ国中18位)と低迷しています(※2)

※1 「行政手続コスト削減の経済効果」規制改革推進会議 第10回行政手続部会 説明資料、2018年6月25日、株式会社大和総研 経済調査部 溝端幹雄

※2 Doing Business 2020

――なるほど。こうした課題を解決するためにも、デジタル化を推進しようという動きがあるわけですね。

太田:もう10年以上前から「21世紀はデータの世紀だ」と言われていたのに、もう5分の1過ぎてもまだ入り口にも立てていないというのが現状です。国はデータをつくっている一番大きな存在ですが、不動産登記や住民基本台帳など、社会の根幹となるデータベース「ベース・レジストリ」をもっているのは自治体。ベース・レジストリの整備については、各自治体で取り組んでもらわないといけないんですね。

調整画像_1.jpg

2015年に気仙沼魚市場を視察する太田さん。総務大臣補佐官時代には、地方創生とテクノロジーの政策立案のために、100カ所以上の地域を訪問した

ベース・レジストリの整備がひらく自治体の未来

――他の先進国に比べて、日本のベース・レジストリの整備は遅れているのでしょうか。

太田:欧米で、行政手続きのオンライン化とベース・レジストリの整備が始まったのは2000年代。北欧などではすでに完了しつつある国もあります。それに比べると、日本は1015年遅れていますね。

――ベース・レジストリの整備によってどんな可能性が生まれるのでしょうか。

太田:新しいサービスや産業が生まれやすくなります。例えば、ヨーロッパでは土地情報から「気候・環境の保全に役立つ農業をしているか」が分かるようになっている。基準をクリアした農家は、「グリーニング支払い」という所得補助が受けられる仕組みがあります。基礎となる情報があると、こうした政策を打つこともできるんです。

――SDGsの達成などにも、ベース・レジストリが活用される可能性があるんですね。

太田:そうですね。日本は地理情報システム(GIS: Geographic Information System)の整備も遅れています。海外では、GISに生息する動植物、土壌、河川などのデータも関連付けています。こういったデータがないなかで、SDGsの達成度を測ろうとすると非常に抽象的な話になってしまいます。同じく、住民基本台帳など人のデータがないと、社会保障費をうまく配ることもできないんです。

――今後、行政手続きのデジタル化とベース・レジストリの整備は、どのくらいのスケジュール感で進むのでしょうか。

太田:ベース・レジストリの整備には10年はかかるのではないでしょうか。例えば、個人の名前は、行政は漢字、銀行はカタカナで管理しています。振り込みなどのために行政と銀行のデータをつなげるには、行政が読み仮名を取得しないといけません。本人確認が必要になりますので、やはり時間がかかってしまうんですね。

自治体DXには、市民やIT企業も関わっていく

――自治体DXを進めるには、市民の協力も必要なのですね。それぞれがどのように関わっていくとよいと思われますか。

太田:DXのモデルとして、エストニア、デンマーク、オランダなど北欧諸国の事例が挙げられますが、これらの国と日本は行政の大きさが全然違うので同じようにやれないと思います。具体的に言うと、国民所得に占める税と社会保障の割合は北欧が7080%。だから、北欧諸国は行政がデジタル化すると社会へのインパクトが大きいし、行政側のデジタル人材も豊富なんです。一方で、アメリカは30%台で民間が社会保障を担う割合が圧倒的に大きい。日本は北欧とアメリカの中間で、45%くらいになっています。

つまり、日本の場合は、まずは行政がデジタル社会の基礎的なインフラを整備しながら、市民の方も自分たちのデータをどう使うのか一緒に考え、議論に参加していくのが望ましいと考えています。

DXの先には、スマートシティや交通、医療、教育など、市民の暮らしに関わるもっと大きな分野があります。地域によって、そこに暮らす人たちが「自分たちのデータをどれだけ使って、便利で多様なまちにしたいのか」はさまざまです。行政や企業が主導するよりは、テクノロジーを使ってそれぞれの地域らしいまちづくりをしていくのがよいと思います。

調整画像_3.jpg

調整画像_2.jpg

太田さんは会津若松市でパナソニックとともに未来の暮らしをプロトタイプしている。パナソニックのほか、地元企業のデザイナーや大学生のエンジニア、行政職員などを交えたハッカソンでは、驚くようなプロトタイプができたという

――市民や行政職員が「デジタル化で何をしたいのか」を、当事者として考えるべきということでしょうか。

太田:まったくそうですね。そこにIT企業も参加していくとよいと思います。「MaaS」や「モビリティ」などのソリューションだけをもっていくのではなく、「この地域でどう暮らしていきたいのか」を起点に、市民も行政職員もIT企業も議論に参加していく。セクターや組織を超えて、「この地域の暮らしをどうつくっていきたいのか」を話せるようになるとすごく面白くなりそうです。

――今後、自治体DXを進めていく上で、何が課題になると思われますか。

太田:実際のところ、DXを進めるにあたっては、ITの技術や知識よりも心理的な壁の方がボトルネックじゃないかと思います。それぞれの自治体に、DXに興味がある人はいるのですが、組織のなかではマイノリティです。DXを担う人材が横のつながりをもって支え合うことが大事かなと思います。

また、組織間を越境する取り組みや場をつくることも大事だと思います。市民を巻き込んだ協議会などをつくっても、お互いの顔色を見て言いたいことが言えない場になってしまうこともあります。海外のリビングラボ(※3)には、きちんとトレーニングを受けたファシリテーターがいて、心理的安全性を保ちながらさまざまな立場の人が参加しやすい場をつくっています。こうした場を地道につくることもひとつの方法です。

※3 サービスの利用者である生活者と、サービスの提供者である企業や行政が、サービスを共創する仕組み。複雑性が高まる現代社会の課題解決に有効な手法として注目されている。

ウエダ本社:行政の方とお仕事をする機会が多いのですが、行政職員と住民が対等に話せる関係をつくれていないように感じることがあります。

人物画像_ウエダ本社.jpg

住民が「税金を払っているのだからサービスを受けるのは当然」という意識をもち、一方の行政職員は「住民はお客さま」という姿勢になり、両者が協働しにくい雰囲気を感じると話すウエダ本社

太田:デジタル化はエビデンスに基づく行政をやるチャンスEBPMEvidence-based Policy Making)というのですが、「この施策で何が変わったのか」をデータに基づいて説明すれば、住民も行政が何をしているのかを理解しやすくなります。例えば、千葉市では「ちばレポ(ちば市民協働レポート)」というアプリを運用しています。「公園の遊具が壊れている」「道路が傷んでいる」などの課題を見つけたらアプリで共有し、住民と一緒に解決するという仕組みです。当初は土木管理課が「データが可視化されたら市民のクレームが増える」と懸念したそうですが、実際には市民がDIYで課題を解決する事例がたくさん出ました。

千葉市民100万人のうち、約6千人が「ちばレポ」に参加したそうです。これだけの人が、自分のまちに関心をもち、自分にできることをしようと行動したんですよ。理想論に聞こえるかもしれませんが、自分ごととして地域に関わるきっかけがあれば、市民の行動が変わっていくんじゃないかと思います。

デジタル化の先にあるふたつの未来の可能性

――自治体によって、デジタル化に対する温度差があると思います。各自治体のスタンスが違うなかで、統一したシステムを導入する難しさもありそうです。

太田:自治体のシステムを「共通化する」ことと「標準化する」ということはちょっと違うんですよね。標準化にはある程度選択肢があるのですが、共通化は同じ仕組みを使うという話になるので、どこまで共通化させるのかは議論が必要だと思います。

国として取り組む緊急事態、感染症対策や災害時の行政手続きなどは、システムを含めてある程度統一した仕組みで回していくのがよいんじゃないかと思います。平時においては、それぞれの自治体が住民と話し合って決められる、選択肢があった方がよいと考えています。

ただ、もう少し地方への解像度を上げて考えてみると、1718ある市町村のうち、人口10万人以下の市町村に日本全体の約3分の1が住んでいます。自治体の規模によっては、そもそもITが分かる行政職員もいなければ、IT企業も営業に来ない。そんな場所で誰がDXを進めていくのか?という、そもそもの課題もあります。

――デジタル化にあたって、住民側には「プライバシーが侵害されるのではないか」「監視社会化するのではないか」という懸念もあると思います。

太田:大上段の話をしますけれども、デジタル化に対してはふたつの見方があるんです。コロナ対策で世界の注目を集めた台湾のデジタル担当大臣のオードリー・タンさんと、著書『サピエンス全史』が有名なイスラエルの歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリさんが、「民主主義、社会の未来」という対談をしました。

ハラリさんは、デジタルを使うのは政府や大企業なので、大きな組織による個人へのコントロールの強まりを危惧するわけですね。一方で、タンさんはデジタルを使えば多くの人が社会のルールづくりに参加しやすくなると発言しました。つまり、デジタル化が導くのは、監視社会的な未来なのか、直接民主主義的な未来なのか、見方が分かれているんです。

一方で、中国は健康データ格付けシステムでパンデミックを封じ込めましたが、やはりプライバシーとデータセキュリティが不安視されました。シンガポールでも、コロナ対応にだけ使うと説明して収集した接触者追跡アプリの個人情報を、警察捜査に利用したとして問題になっています。やはり、国に情報を握られる怖さというのはリアルにあると思います。

IT人材は都市から地方へゆっくりと流動する

オプテージ:自治体DXを進める上ではIT人材が必要になると思います。人材についても、政府や都道府県が市町村などの基礎自治体を支援する動きなども出てくるのでしょうか。

人物画像_オプテージ.jpg

自治体DXは、自治体の単位ではなく、住民の生活を中心に置いて他の自治体や国との関わりなど、さまざまな範囲で考えていくべきという気付きを得たオプテージ

太田:日本のIT人材の8割はIT企業、とりわけ三大都市圏に集中しています。これは日本特有の状況で、海外ではIT人材の7割は行政や銀行、病院や学校などユーザー側にいて、残りの3割がIT企業にいるんです。

東京で通勤して働くライフスタイルから一番離脱しやすいのはIT企業です。時間はかかるかもしれませんが、面白いことをしている自治体には、最先端のクオリティフィケーションをもっている企業や人材がゆっくりと流動していくと思っています。

――自治体DXを進めていく上で、IT企業に期待されていることはありますか。

太田:日本ではあまり広がっていませんが、海外では多くのIT企業の人たちが個人としてオープンソースのプロジェクトに貢献しています。日本にもIT技術を活用して地域課題の解決を目指す非営利団体「Code for Japan」のブリゲードが全国に80くらいあります。昨年話題になった東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」も、Code for Japanの呼びかけで市民エンジニアが400名くらい参加して、オープンソースでつくりました。

例えば兵庫県加古川市では、市民参加型合意形成プラットフォーム「Decidim」を導入していますが、加古川でどんな議論が行われているのかを誰でも見ることができるんですよ。ソフトウェア開発のプラットフォーム「GitHub」もありますよね。これらに参画することを通じて、いろんな課題に気付いて、本当に社会にインパクトを出せる領域が会社としても見えてくるのが理想かなと思っています。

まちづくりはゴールよりプロセスが鍵になる

南海電気鉄道:我々は21の市町村を結ぶ鉄道会社なので、沿線全体で基礎自治体を横断するような取り組みのお声がけをすると、内容によっては「自治体の枠を超えられない」と言われてしまうことがあります。今後、基礎自治体の権限や連携についてどうあるべきだと思われますか。

人物画像_南海電鉄.jpg

複数の市町村を結ぶ鉄道会社として、まちづくりにおいて自治体の枠を超えた取り組みに関心を寄せている南海電気鉄道

太田:大事なテーマだと思います。今、世界中でスマートシティがブームで投資もすごくされています。海外では企業が主導しているのですが、日本は今のところ自治体が主導していることが特徴です。

ただ、私たちは普段買い物をしたり、通勤・通学をしたりするときには、自治体の境目ってあまり意識していませんよね。基礎自治体の範囲って、僕らの経済圏や生活圏、文化圏に合っていないんです。スマートシティに代表されるような、暮らしに紐づくことをデジタル化するには、住民の経済や生活、文化を考えた上で柔軟にやらないと大変な失敗になります。住民に寄り添って、本当に役立つサービスにしていこうとすると、広域になるのはひとつの流れだと思います。

RE EDIT私は行政の方とお仕事をさせていただく機会も多く、市民活動もしています。今後、市民のコミュニティに期待するところを聞いてみたいです。

人物画像_甚田さん.jpg

泉北ニュータウンのコミュニティづくりに取り組む立場から質問をするRE EDIT

太田:多世代がカギだと思います。昨年『コミュニティマネジメント』という本を出された、東京都市大学の坂倉杏介さんは、東京都港区と慶應義塾大学で共同運営している「芝の家」など、地域のなかで人が集まり交流する場をつくられています。こうした場ですごく印象に残るのは多世代だということです。

「芝の家」の来場者は、30%は小学生で、15%が高齢者、20%くらいがまちの外からくる人で、あとは近所の人や学生たちだそうです。まちの人が"お客さん意識"で文句を言っていると、高校生が「なんでおじさんは文句ばっかり言ってるの?」と発言して対話の雰囲気が変わったりします。あるいは、塞ぎ込んでいた小学生がおばあちゃんと話すことが、期せずして子どものレジリエンスになっている。多世代で起きることはものすごく豊かなんですね。

行政は逆に世代ごとで取り組みを分けがちですが、世代がまぜこぜになっている場での議論と、共通の固定概念を持ち込みやすい場での議論では、生まれる未来が全然違います。多世代が参加する場について研究が進んで、経験値が理論になってくるとすごく可能性があるなあと思います。

南海電気鉄道:みんなでまちをつくっていくという観点で言うと、例えばスマートシティの定義ひとつをとっても、今はバラバラで共有されていないと思うんです。そんななかで、多様なステークホルダーが集まり、テクノロジーを使ってどこを目指していくべきなのでしょうか。

太田:僕らは答えがある問題をたくさん解いてきているので、優秀な人が集まるところほど目的やゴールが気になるんですよ。でも、まちづくりではプロセスが大切で、ビジョンはあってもよいけれど、たどり着くゴールをきちっと設定するのはあまり向かないなと思っています。

アジャイルというソフトウェアの開発手法がありますが、仕様や設計の変更があることを前提として、仮の答えを出しながら柔軟に開発を進めていきます。これは今までにあまりなかったやり方で、演繹でも帰納でもなく、アブダクション(※4)。デザイン思考も、アブダクティブなのでゴールはありませんよね。

※4 起こった現象を最もうまく説明できる仮説を導き出す推論法。帰納法、演繹法と並ぶ第三の推論法。

「仮にこのまちはこうなるとちょっと幸せになるんじゃないか」と思えば進めてみるというやり方が求められているし、テクノロジーの進化によって技術的にも可能になってきました。アジャイルなプロセス設計に慣れている、サービスデザインをする人などを仲間にするのがおすすめです。

一度やってみると「なるほど。どこに向かっていくか分からないけれど、結果的に素敵なものができたな」という実感が得られると思います。ぜひ、いったんゴールを手放して、デジタルの世界で培われたプロセス設計の手法をまちづくりにも生かしてみてください。

聞き手/オプテージ 霜野佑介、辻善太郎、南海電気鉄道 粉川純一、ウエダ本社 王智英、浅井葉月、RE EDIT 甚田知世

(文/杉本恭子)

編集後記

行政手続きや基礎台帳のデジタル化、それによって予想される未来の可能性、デジタル化とまちづくり、組織や世代を超えたまちづくり。自治体DXというテーマから、さまざまな議論が展開していく刺激的な取材となりました。

「まちづくりはゴール設定を手放してプロセスを大事にすべき」という太田さんの話に「目から鱗が落ちた」という南海電気鉄道は「経済圏や生活圏、文化圏に合わせたまちを考えるべきという話があったが、自分たちが暮らしやすいまちをみんなでつくることが大事だと思った」と話しました。組織や世代を超えて議論の場をつくることに関して、ウエダ本社は「自分も企業の一員であると同時に自治体の住民としての視点でDXに関わっていきたい」と発言。泉北ニュータウンのまちづくりに関わるRE EDITは、「CO-UPDATE KANSAIのメンバーと議論しながら、デジタルを生かしたまちの仕組みづくりができたら面白そう」と感じたようです。オプテージは、ITベンダーとしての自治体DXへの関わり方として「自治体職員と市民をつなぐ場を、オープンソース的なプラットフォームでつくれたら」と、新たな可能性を見出したようです。

  • 太田直樹さん株式会社New Stories 代表
    1967年奈良県生まれ。ボストンコンサルティングの経営メンバーとして、アジアのテクノロジーグループを統括。2018年に起業し、ローカル×テックで、セクターを越えた事業創造を企画・運営する。一般社団法人コード・フォー・ジャパン理事。

プロジェクト②”ちょうどいい”働き方・働く場

多様化する働き方、変化の先にフィットする働く場の在り方とは?

プロジェクト①空き家があるまちの未来

空き家や空きスペースを起点に、人口減少時代のまちづくりを考える